茨城県最大の北部に位置する大子町(だいごまち)で生産されている奥久慈茶(おくくじちゃ)。昔ながらの手揉み製法で仕上げられたお茶です。
産地
茨城県の北部の山間部の町、大子町の山沿いで栽培されている奥久慈茶。栃木県の黒羽茶と並んで以前はお茶の北限と呼ばれる、栽培の最北端に位置していました。現在でも太平洋側での北限として知られています。関東平野からやや外れた山間部ということもあり、この地域は冬の北風が冷たく、それでいて雨が多いという茶の栽培にとってやや厳しい土地です。そんな大量生産が難しい土地だからこそ、量より質を重視して丁寧に育てられています。
奥久慈茶の茶摘み時期は一般的な時期よりも遅く、5月中旬から6月中旬までの間に行われるため、新茶の流通は遅いのが特徴です。
歴史
この土地で作られる奥久慈茶の歴史は今から約400年前までさかのぼります。京都の宇治から伝わったお茶の栽培は、江戸時代に広く普及していきました。当時は環境の悪さから、他の有名な産地のものに比べると品質が悪いものが多かったのですが、品種改良などもあり、明治から昭和にかけて高品質なお茶が生産されるようになりました。
茶葉
この地域は先に述べたように、茶の大量生産には向いていない土地です。茶葉の生育が他の地域に比べて非常に遅いこともあり、ほとんどの奥久慈茶では年に1度しか茶摘みが行なわれず、1番茶しか流通しません。そのため高級煎茶として世に出回っています。
製茶され茶葉は針や糸のように細く、艶のある仕上がりです。お茶は、北の産地ならではの深いコクと高い香りがあります。
品種はほとんどが「やぶきた」です。
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