山形県に隣接する新潟県の村上市で生産されている村上茶(むらかみちゃ)。日本海側で大規模なお茶の生産が行われている最も北に位置し「北限」の茶として知られている。日照時間が短く冬には雪を被ることから茶葉の成長が遅く、苦味が少なく甘みが強い味わいが特徴。寒さに強い品種が多いが、近年は一般的な品種の「やぶきた」などの生産も進んでいる。
味
足柄茶の味を一言で表すと「甘みの強い味」です。
日照時間が短く厳しい寒さのこの土地のお茶は、苦味や渋みが少なく甘みが強い味わいが特徴です。さらに旨味が凝縮されているため、スッキリして飲みやすいけど飲みごたえがあると感じる人も多いでしょう。そのため、この地で売られているお茶はいくつかの品種をブレンドした物が多く、独特の味わいを楽しむことができます。
また生産量が少ないことからも高級な緑茶として知られています。
産地
山形県と隣接する新潟県の北部に位置するこの土地は、場所からも想像できる通り冬は厳しい寒さと冷たい風に見舞われます。そんな寒さでもチャノキが生長できるのは、適度な積雪の影響と言われています。ある程度まとまった雪がチャノキに覆いかぶさることで、日本海側から吹く冷たい北風からチャノキが守られ、無事に摘み取るまでに成長するのです。
そんな村上茶は商業的に大規模に作られるお茶としては日本海側で最も北の土地として有名です。このことから村上茶を「北限の茶」とも呼ばれます。
歴史
村上茶が生産されたのは今から約400年前の1620年代と言われています。当時の村上藩の大年寄りだった徳光屋覚左衛門が宇治伊勢の茶の実を買い入れ、お茶を村上藩の産業にしようとしたようです。明治時代にはこの村上茶がアメリカやロシアに輸出され、いわゆる黄金時代を迎えました。
しかし大正時代以降は日本の茶自体の需要の減少や、他産地の台頭、生産効率の悪さなどから次第に生産量は減少していきました。現在のチャノキの栽培面積は最盛期の3%程度。
現在でも昔ながらの製法を大事にしている農家も多く、手作業での栽培ということもあり価格は他産地よりも高いお茶と言えるでしょう。
茶葉
チャノキには、他にはない、寒い土地でも育つ在来種が使われており、その独特の味わいはお茶好きなら一度は飲んでみる価値があるといえるでしょう。
また近年「やぶきた」や「ふくみどり」などの品種の生産も行われており、在来種と合わせたブレンド茶が流通しています。なかには新潟のコシヒカリと合わせた玄米茶など、工夫を凝らした商品も多いです。
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