日本では古くから様々なお茶が飲まれて来ました。日常的には日本茶、ウーロン茶、麦茶、紅茶などが良く飲まれるお茶ですが、それ以外にも多くのお茶が日本にもあります。
みなさんは熊笹茶(クマザサ茶)というお茶を知っていますか?
聞いたことのない人も多いと思いますが熊笹自体は日本全国に分布している植物でおそらく目にしたことのある人も多いかと思います。
熊笹は漢字の通り笹の一種で先がとがった細長い葉が特徴の植物です。冬になると葉が枯れて周囲が白くふちどられる姿を歌舞伎役者独特の化粧法である隈取(くまどり)になぞらえて「隈笹」という名前がついたそうです。
動物の熊の字が使われるようになったのパンダや熊などが食べる植物であることや、その名前になぞらえて関連商品のパッケージに動物の熊のキャラクターが添えられることが多くなったためと言われています。元々は「隈笹」であったものの現在は「熊笹」のほうが広く使われている傾向が見受けられます。
この熊笹は至るところに分布しているため日本古来から身近な万能薬として使用され、中国でも昔から漢方薬などとして良く使用されています。中でも熊笹の特徴として防腐効果が高いことから、日本ではちまきや笹ずしに使われていました。
また現在では栄養価なども高いことから熊笹を使った熊笹茶としても販売されています。笹をお茶にしたと聞くと「青臭いのでは?」というイメージを持たれるかもしれませんが、商品販売サイトの口コミでは「ほのかに香ばしい、さわやかなでクセの少ない味」などと書かれており意外とクセが少なく飲みやすいお茶です。
熊笹茶の効果、効能
熊笹にはクロロフィルと言われる葉緑素が多く含まれています。このクロロフィルはほうれん草、パセリ、レタスなどに多く含まれている成分で体の中の悪い物質を排出してくれる働きを持っておりサプリメントにもなっています。他にも鉄、カルシウム、ビタミン、食物繊維などが主な成分です。
また熊笹の特徴的な成分としてバンフォリン(熊笹多糖体)というものが含まれており、これが熊笹の防腐効果のもとになっているのですが同時に免疫力の向上に役立つとも言われています。
このように体にも良い成分が多く含まれている熊笹茶の効果・効能を以下に紹介していきます。
生活習慣病の予防
生活習慣病は免疫力が低下により起こります。熊笹には傷ついた細胞の修復作用や、健康な細胞の保護作用があり免疫力を向上させるの効果があると言われており、生活習慣病予防の期待ができます。
口臭・体臭対策
熊笹に含まれてクロロフィル(葉緑素)には殺菌・脱臭作用があり、口臭や体臭を抑える効果が期待できます。これはガムなどにも使われている成分です。
高血圧予防
熊笹には、肝臓における解毒機能を促進させることで、血液をサラサラにする効果が期待できます。血液の流れが良くなると血が体内をよく巡るようになり栄養素を運搬し、老廃物を回収してくれるので高血圧の予防になります。
便秘対策
熊笹に含まれている食物繊維は腸の調子を整えてくれます。またリグニンという成分も含まれており、このリグニンは不溶性食物繊維の一種で、大腸を刺激することにより排便を促す作用があります。これによる便秘の改善が期待できます。
これからの効果・効能に加えて熊笹はノンカフェインなので、カフェインの摂取を控えている人や妊娠中の人、就寝前も安心して飲むことができます。
熊笹茶の注意点
効果・効能に加えて副作用も気になるところですが、熊笹茶には現在のところ副作用は見つかっておりません。ノンカフェインで副作用もない健康茶なので多くの人に推奨できる安心して飲めるお茶です。
ただし熊笹自体がイネ科の植物のため、イネアレルギーを持っている人はもしかしたら反応があるかもしれませんので注意してください。
熊笹茶の作り方と淹れ方
熊笹茶は市販のものを購入することもできますが、自生しているものを使用してお茶を作ることも比較的簡単にできます。
熊笹茶の茶葉を作る場合はまずなるく新鮮な熊笹を用意して、それをきれいに水で洗ってください。念のためきれいなたわしやタオルなどでこすり洗いするとより安心です。
洗い終わったら水気を良く拭いて、笹の繊維に沿って1〜2cm幅に割いてきます。割いた次は繊維と直角にハサミで1〜2cmカットして正方形状にします。そしてカットした葉を1週間〜10日ほど天日干しします。これで熊笹茶の茶葉の完成です。
次に熊笹茶の淹れ方ですが、熊笹茶はやかんと急須どちらで淹れてもおいしく飲むことができます。
まずやかんで淹れる場合は乾燥させた熊笹茶の茶葉を水1Lに対して5~10gを入れて、火にかけ沸騰させます。その後、お湯が沸騰してきたら弱火で1~2分ほど煮込んでください。これで熊笹茶の完成です。煮込む時間によってお茶の濃さを調整できます。
急須で淹れる場合は乾燥させた熊笹茶の茶葉15g程度を急須に入れ、そこに熱湯を注いでください。3~4分程度で丁度良い濃さになったら完成です。
あまり一般的には知られていない熊笹茶ですが、クセもなく副作用でノンカフェインの健康茶なので是非一度試してみてください。