ティータイムと言えば、なんといってもアフタヌーンティですよね。
三段のお皿に盛られたケーキやサンドイッチと、紅茶・・・
そんなアフタヌーンティのお洒落な光景の写真をSNSで見かけることも多くなってにました。
しかし、なぜ「午後に」紅茶を飲むか考えたことはありますか?
「なんとなく気持ちがいいし、美味しく飲めるから」ではありません。
その発祥は19世紀まで遡ります。
◉アフタヌーンティの歴史
アフタヌーンティの起源は19世紀中頃の、イギリスです。
当時は、朝と夕の2回のみの食事でした。
「朝と夕の食事の間の空腹を紛らわせるためにはじまった習慣」が、アフタヌーンティでだと言われています。
当時の公爵夫人は、朝と夕の食事の間に、空腹を満たすために、紅茶とパンなどを食べていたそうです。
その習慣が現在のアフタヌーンティ文化の礎となります。
当初は、 夫人が家で高級な茶器などを使い、一人ゆっくりと楽しんでいたティータイムでしたが、次第に友人達を招いてティータイムを一緒に楽しむようになりました。
彼女の友人達(貴族の方達)も、彼女の真似をし自分たちの館でも友人を招いてティータイムを楽しむようになりました。
そうして、貴族間、さらには社会全体にティータイム(アフタヌーンティ)文化は広まっていき、その文化が形を変えながら今も続いているのです。
ティータイム、紅茶というとイギリスというイメージが強く、世界でも有数の紅茶の消費量を誇るイギリスですが、もともとお茶の文化の発祥は中国です。
17世紀の中頃に、オランダを介して中国からイギリスへお茶がもたらされ、イギリス人達はお茶に魅了されていきました。
最初は貴族など、上流階級だけで楽しまれていたお茶でしたが、次第に大衆化し、一般人も各家庭でお茶を楽しむようになりました。
イギリスは、土地柄茶葉の栽培にむかないこともあり、緑茶や紅茶の茶葉を中国から輸入していたのですが、19世紀に植民地であったインドやスリランカでお茶を栽培することに成功します。(アッサムやセイロン)
それからますます、イギリスでお茶は身近なものになりアフタヌーンティ文化が根付いていったのです。
◉アフタヌーンティ文化が根付いた国々
アフタヌーンティの文化が根付いていったのはイギリスだけではありません。
茶葉の栽培は主に、ティーベルトと呼ばれる、熱帯または亜熱帯の高地を中心とした約30ヶ国で行われています。
その中でもイギリスの植民地であった国をはじめとするイギリス連邦の国々と、近代化の中でイギリスの文化を規範としていた国々で、アフタヌーンティ文化は深く根付いていきました。
日本もその国々のなかのひとつ。
形を変えながらも、現在まで引き継がれ、高級ホテルのラウンジなどで、誰でもアフタヌーンティを楽しむことができますね。
◉現代のアフタヌーンティ
高級ホテルなどで提供される「アフタヌーンティ」商品は、
・三段もしくは二段のティースタンド
・ケーキやサンドイッチなど複数のティーフード
・お洒落なティーポットやカップ など
視覚的に楽しめ、お洒落で贅沢感があるため女性には大人気です。
ハロウィンやクリスマスなど年中行事の際には、それをテーマにした可愛らしいフードやスイーツが用いられる
こともあり、スウィーツビュッフェにも近い部分があります。
また、高級ホテルなどの非日常的な空間でいただくことで、世の女性達はお腹も心も満たしているのです。
実際のところ、アフタヌーンティの定義を理解して望んでいる方はそう多くはないでしょう。
知らなくても楽しめますが、定義や歴史を知っていると、より貴族になったような
ラグジュアリー感を気持ち的に味わえるのではないでしょうか。