緑茶を飲むことで、リラックス効果や、発がんの抑制、虫歯の予防や口臭予防など、人間には様々な健康効果を期待できます。
私たちにはこのようなメリットがたくさんある緑茶ですが、ペットの犬や猫に与えても、同じような健康効果は得られるのでしょうか?
もし同じような効果が得られるのなら、口臭予防や虫歯予防はペットと触れ合う上でとても助かりますし、食中毒や動脈硬化などの予防などペットの命を大切にする上でも良い飲み物になりますよね。今回は犬や猫が緑茶や紅茶を飲んでいいのかを解説していきます。
結論①:そのままの緑茶や紅茶はNG
結論から言うと、私達が飲むような茶葉をお湯で煎じて飲むお茶をペットに与えることはよくありません。
その最大の理由は「カフェイン」です。
カフェインは犬や猫にとって、人間以上にデメリットが働きやすいことで知られています。犬や猫がカフェインを摂取することで具体的には以下のような症状が懸念されます。
- 腎臓の炎症
- 胃腸潰瘍
- 心血管疾患
- 不眠症
- 眼(内眼)圧の上昇
これらは人間にも起こり得るカフェインの副作用です。しかし私達は、エナジードリンクを大量に飲むなど、なかなかの量を摂取しなければ通常はここまでの症状は起きませんよね。ただ、犬や猫は体が小さいこともあり、たとえ少量であっても、悪い意味でカフェインに過剰反応してこのような症状が起きてしまうのです。
結論②:カフェインレスなら健康効果に期待ができる
結論①で述べたように緑茶や紅茶がペットに悪影響である理由はカフェインです。そのためカフェインレスのものであればペットでも飲んで問題ないと言われています。
なかでも効果が期待できるのはやはりカテキンの多い緑茶です。
実際にアメリカとカナダで1,000を超える動物病院を運営している「VCA動物病院」では、ペットにカフェインの少ない緑茶を飲ませることを勧めています。
緑茶カテキンは犬や猫のすべての体組織に吸収されますが、特に肝臓や消化管に集中的に吸収されることが分かっています。最初に述べたように、緑茶は抗酸化作用があり、血中コレステロールを下げると言われています。同時に、胃、胆嚢、前立腺、子宮、肺、腸、結腸、直腸、膵臓などのいくつかの種類の発がんを抑制します。そのためこれらの効果は人間と同じように犬や猫でも大きな効果が期待できるのです。
人間に比べて犬などの動物への研究はまだまだ少ないですが、現在分かっていることは、
結論③:カテキン配合のおやつサプリがおすすめ
お茶をそのまま飲むことがNGで、カテキンが効果があることがわかりましたね。ここで犬や猫におすすめなのはカテキンを配合したおやつです。前述のVCA動物病院ではHPで以下のように述べられています。
In general, supplements containing green or black tea are very safe, and side effects are more likely to be seen in people (or pets) consuming multiple cups of tea than if taking supplements.
https://vcahospitals.com/know-your-pet/black-and-green-tea
ざっくり意訳すると「お茶を飲むペットでは副作用が見られる可能性が高く、それに比べて緑茶または紅茶を含むサプリメントは非常に安全である。」ということです。実際日本でも緑茶カテキンを配合したおやつはいくつか販売されています。これらを定期的に摂取することで、犬や猫がより健康的な状態にすることが期待できるでしょう。
最後に
人間に比べて、犬や猫に関する研究はまだまだ未熟です。今回のお茶に関する研究も報告が非常に少なく、「~だろう」で結論づけるしかない状態が多いのが実態です。今後さらに多くの研究報告が出ることを期待し、ペットにとっても不慮の事故や病気が減っていけばいいですね。
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