コーヒーとお茶はどちらも世界的に非常に人気のある飲料です。そして、どちらも人間の食生活に大きな影響を与えている飲み物のため、「健康に良いのかどうか」ということをメディアなどでよく取り上げられています。なかでも「コーヒーVSお茶」として、どちらが健康的なのかを議論されることがありますが、大抵の人は味の好みで意見が分かれてしまいます。(ちなみに私はお茶派です。)
今回はそんな好き嫌いや味の違いを抜きにして、シンプルに両方の健康効果を考えていきます。
コーヒー
コーヒーからは非常に多くの健康効果が期待されています。コーヒー好きの人にとってはモチベーションが上がる事実ですね。これらの効果の多くはドリップされたコーヒーで得られ、インスタントコーヒーではあまり得られない場合が多いです。ここではドリップされたコーヒーを前提として話を進めていきます。
コーヒーのメリット
一般的なコーヒー1杯では95mgのカフェインが得られます。
カフェインはコーヒーの持つ健康効果で最も大きな成分です。カフェインは代謝のスピードを上げる効果があるため減量に効果があるとされています。実際、現代の減量薬の多くはカフェインが含まれています。
カフェインの別の効果として、よく知られているように脳を刺激して一時的に注意力・集中力を高めることができます。また、記憶と一般的な脳機能に良い影響を与えるとされています。そしてさらに、コーヒーには神経保護効果があり、アルツハイマー病や認知症のリスクを減らすことができるとされています。
コーヒーはパフォーマンスの増強剤としても機能し、持久力が必要な運動に役立ちます。さらに、運動後の回復する時間を減らすことができます。
コーヒーは、2型糖尿病のリスクを減らすことも証明されています。それはインスリンの効果を改善し、それにより関連するリスクを低下させます。
最後に挙げるメリットは、コーヒーの抗酸化作用です。コーヒーにはポリフェノール、フラボノイド、およびクロロゲン酸(CGA)が豊富に含まれています。これらはすべて、強力な抗酸化物質であり、心臓病や脳卒中のリスクを軽減することができます。また、それらは血管内のプラーク(脳梗塞などの原因となる組織)の形成を防ぎ、血管を拡張させる効果によりリラックス効果があります。
コーヒーが癌のリスクを減らす可能性があることを示唆するいくつかの研究あります。これらには、肺がん、結腸がん、胃腸がん、膀胱がん、および直腸がんに効果が期待できるとされています。
コーヒーのデメリット
カフェインに敏感な人は、コーヒーを飲むことはできません。
カフェイン消費量の1日に飲んで良い最大の量は400mgであるとされています。その数値は年齢や体格などによって異なる場合がありますが、数杯のコーヒーを飲めば、すぐにその量に達してしまいます。カフェインの取り過ぎによるカフェイン依存症などのリスクを含んでいることに注意しましょう。
コーヒーを飲む量が多すぎると、心拍数の急激な増加、動悸、不眠、落ち着かないなどのリスクも高まります。特に日頃の睡眠の質が低いと感じる場合は、就寝の約3〜4時間前以降はコーヒーを避けるようにしてください。
お茶
お茶を飲むことで得られる健康的な成分のうち、代表的なものはテアフラビン、テアルビジン、カテキンです。
コーヒーと同じくお茶は非常に人気があります。これは、水に次いで世界で最も人気のある飲料と言われています。そのなかでも紅茶は最も人気のある種類のお茶であり、緑茶は2番目に多いです。
お茶のメリット
コーヒーと同じように、お茶はカフェインが豊富です。しかし、お茶のカフェイン量はコーヒーに比べて少なく、コーヒーの約半分しかありません。つまり平均的なコーヒー1杯でカフェイン95mgが得られますが、同じ量のお茶で約45mgが得られるわけです。コーヒーに比べると量は少ないですが、お茶でもコーヒーと同じくカフェインの効果をもたらすことができます。
お茶を飲むと、精神的なリラックス効果があり、脳の機能が向上します。お茶にはカフェインはコーヒーに比べて少ないですが、その分L-テアニンという物質を多く含みます。このL-テアニンは体の中でカフェインと一緒に働き、脳を刺激し、リラックス効果を出すとされるアルファ波を増加させます。それにより、ストレスを減らすことができ、落ち着いた気分になることができるのです。
お茶には、他にもカテキンなどのポリフェノールを含む多くの抗酸化物質を豊富に含みます。コーヒーの中に含まれているものと同様に、お茶にも癌のリスクを低下させる可能性があるとされています。お茶にアンチエイジング効果があるとされる研究も発表されていますが、統計的な研究が多いため、断言するにはまだまだ研究が必要でしょう。
またこれもコーヒーと同じくポリフェノールの抗酸化作用は、心臓病のリスクを軽減し、血管内のプラーク形成を防止する効果があります。
お茶、特に緑茶はダイエット効果も期待できます。緑茶はエネルギー消費を増やし、脂肪の燃焼を大幅に増加させると考えられているためです。そのため健康茶の中でも、ダイエット茶とされているものは緑茶や緑茶の派生したお茶が多いのです。とはいえ過信は禁物です。ダイエットをしたかったら適度な運動が必要ですよ。
お茶のデメリット
お茶にももちろんいくつかのマイナス面があります。お茶を過剰摂取すると、心拍数の急激な増加、動悸、不眠、落ち着かない、さらに吐き気などの症状が出る場合があります。
またお茶にはタンニンが含まれており、これのせいで植物性の鉄分の吸収を減らすとされています。ただし、動物由来の鉄分の吸収には影響しないとされているため、肉や野菜などバランスの良い食事をしていれば問題ありません。もちろん、鉄分が不足している方は、お茶を控えたほうが良いでしょう。
まとめと考察
これまでの内容を分かりやすくまとめると、「コーヒーにはカフェインの健康効果がたっぷり!」「お茶はカフェインが少ないけど、その他の効果もあるよ!」ということです。
贔屓しているつもりはありませんが、個人的にはやはりお茶に軍配が上がります。
コーヒーのデメリットで挙げたカフェインの過剰摂取も、お茶であればある程度気にせず多くの量を飲むことができますし、やはりリラックス効果というのは現代人に最も必要な健康効果だと思うからです。しかし、鉄分の吸収を抑えるというお茶にしかないデメリットがあることも事実です。そういう意味では、より多くの人に健康的な飲み物を勧めるとしたら、コーヒーになるでしょう。
コーヒーとお茶にはどちらも甲乙付け難いほど、素晴らしい健康効果があります。美味しく飲んで、その効果を存分に堪能しながらも、そのデメリットも理解して上手に付き合っていきましょう。
Source:HEALTH BENEFIT COMPARISON – COFFEE VS TEA(https://www.japanesegreenteain.com/)