紅茶と言えば、イギリス。そして英国王室ですね。
紅茶の茶葉を選んでいると、「英国王室御用達」と謳っている商品に出会ったことがあるのではないでしょうか。
英国王室と紅茶の関係は歴史上切っても切り離せません。
中世から現代まで、紅茶と英国王室には深い関係があるのです。
◎英国王室とお茶の歴史
●お茶の発祥は中国
紅茶といえば、イギリスというイメージですが、発祥は中国であると言われています。
最初は、お茶は薬とし単に茶葉を抽出したものを飲んでいましたが、お茶の生産が盛んになり、一般の人々にも飲まれるようになってくると、お茶を「薬」としてだけではなく、味や香りを楽しむようになりました。そうして生まれたのが、発酵茶(紅茶や烏龍茶)です。
広く中国で楽しまれ、発展したお茶は、大航時代にヨーロッパへと渡りました。
●イギリスでの紅茶ブームのきっかけは王女
紅茶がイギリスへ渡ってからしばらくは、イギリスの人々にとって紅茶は、東洋から来た霊薬という存在でした。
しかしそれが一変、嗜好として楽しまれるようになったのは、当時国王に嫁いできた王女の影響でした。
当時の国王チャールズ2世の元へ嫁いできたのは、ポルトガルのキャサリン妃。
彼女が嫁ぐ際に、当時高級品であった砂糖と紅茶を大量に持ち込んだのです。
彼女はその紅茶にお砂糖を入れて、毎日ティータイムを楽しみました。
時に同じ貴族の友人達と会話を楽しみながら。
キャサリン妃とティータイムを楽しんだ上流階級の貴族達は、彼女のお茶を飲む習慣を取り入れ、次第に貴族達の間で紅茶はブームとなりました。
その後、中流階級、一般の人々にも紅茶を楽しむ習慣・文化は広がり、イギリス全体に紅茶は楽しまれるようになったのです。
つまり、イギリスの紅茶文化のはじまりは、王室であったのです。
●現代も王室で紅茶文化は受け継がれる
現代もイギリス王室では、紅茶文化は受け継がれており、
王室流の紅茶の淹れ方や、作法もあるようですよ。
◎英国王室御用達の紅茶ブランド
百貨店や、ネットで紅茶を紅茶を選んでいると、見かけることのある「英国王室御用達」という言葉。
これは、英国王室に寄与されるサービスに対して認定されるものの称号です。
この認定をうけている商品やサービスは、最低でも5年間は英国王室に商品やサービスを提供していることが条件です。
つまり、この認定を受けている紅茶は、英国王室でも飲まれている、あるいは飲まれていたと考えてもよいでしょう。
英国王室御用達の紅茶ブランドをいくつかご紹介します。
●HRヒギンス
英国王室エリザベス女王Ⅱ世御用達の珈琲と紅茶の老舗専門店です。
イギリス伝統のブレンドティーやフレーバーティー、コーヒーを取り扱っています。
本店はロンドンにありますが、日本では日本橋、神戸に店舗があります。
HRヒギンスの商品で、日本人からの絶大な人気を誇るのは、フルーツフレーバーティーの「ブルーレディー」。
グレープフルーツの香りで、とても爽やかな紅茶です。
オンラインショップでも購入できます。
●TWINING(トワイニング)
1837年にヴィクトリア女王から王室御用達の認定を受けています。以来、現代まで王室へ紅茶を納め続けている王室御用達ブランドです。
スーパーや百貨店でも、紅茶コーナーにTWININGのティーパックは必ずといっていい程置いてあり、私達でも気軽に楽しむことができます。
ロンドン本店には、日本にはない数々の種類の紅茶が陳列されています。ロンドンへ旅行で行くことがあれば、1度足を運んでみることをおすすめします。
●Taylors of Harrogate(テイラーズ・オブ・ハロゲート)
1886年創業の老舗珈琲、紅茶専門店。英国王室御用達に認定されており、世界各国から集めた最高級の茶葉を絶妙にブレンドし販売しています。
Taylors of Harrogateで、特に人気のヨークシャーゴールドは、世界有数の茶園からよりすぐりの茶葉のみを使用し、マスターブレンダーが口当たりのよい芳醇な紅茶にブレンドした名品です。
いずれのブランドの商品も、今ではオンラインショップで簡単に購入することができます。
◉英国王室伝統の茶器ブランド
数々の名品を作り出してきた陶器ブランドWedgwood(ウェッジウッド)。
1765年にシャーロット王妃から、英国王室御用達の認定を受けました。
ウェッジウッドは、英国王室のみならず、世界中の王侯貴族に愛されています。
ワイルドストロベリーというイチゴ柄の茶器は、現代の女性に大人気。一流ブランドですので、平均予算は5千円から20万円と、高額ですが、紅茶好き・食器好きにとっては憧れのブランドです。
◉英国王室流、紅茶の飲み方のルール
英国王室には伝統的な、紅茶の嗜み方(ルール)があるといいます。
王室流の紅茶の飲み方のルールを、いくつかご紹介します。
●ティースプーンはカップの後ろ
ティースプーンはカップの手前に置かれているのが一般的ですが、英国王室のルールでは、ティースプーンはカップの後ろ(向こう側)に置きます。
これは、茶器(ソーサーやカップ)の柄を楽しむ為だと言われています。
●砂糖を混ぜるときは、かき回さない
ティースプーンで、時計の12時と6時の方向に縦に動かして静かに砂糖を溶かすのがマナーです。
もちろんカチャカチャと音をたててはいけません。
●ティーカップの持ち方
英国王室流では、ハンドルに指は通しません。
親指と人差し指でハンドルをつまみ、中指を添えてティーカップを持ち上げます。小指は、立てません。
以上がおおまかな、英国王室流の紅茶の飲み方のルールです。
普段は適当で十分ですが、知っていると何かの時に役立つかもしれません。
●おわりに
中世から現代まで受け継がれる、英国王室の紅茶文化。
あなたのティータイムにも、英国王室御用達、英国王室流をとりいれると、上品な気持ちで紅茶を楽しめるかもしれません。
ぜひ、英国王室流を体感してみてください。