ハーブや野菜など、自宅で手軽に育てることができ、さらにそれを使って料理して食べることができる家庭菜園。
お茶が好きな人だったら疑問に思うことがありますよね。
家庭菜園でお茶を作れるの?
答えは
できます!
ほぼすべての植物は、何も手を加えなくても適応した環境であれば自然の中で成長していきます。チャの木も同じく、お茶用ではなく天然の木が世の中にはたくさん存在しています。自然に育つ地域とほとんど同じ環境下であれば、自宅で育てることもできるのです。
今回は自宅でチャの木を育てるために、最低限必要な知識や気をつけるべきポイントを説明していきます。
ちなみに一部のホームセンターやAmazonなどで買うことが出来ますよ。
お茶が成長する地域と気温
日本の緑茶や紅茶などに使用される伝統的なチャの木は基本的に同じような環境で育ちます。チャの木は一年を通して比較的温暖な気候であれば簡単に育つのです。また良い品質の葉っぱが取れるチャの木は、適度な日陰のもとで成長していきます。北の方の地域、比較的寒いところでは残念ながら自然には育ちません。
では寒い地域に住んでいる人は諦めるしかないのでしょうか?
しかし、寒い地域でも工夫をすれば問題ありません。温度が下がる秋や冬場に植木鉢を室内に入れるなどして人間が居心地が良いほどの温度の部屋に入れてあげることで、育てることは可能です。日本の大部分は春や夏が暖かいですから、その季節だけ外に出すようにしましょう。
一応、北海道のニセコまではチャの木を土に植えて、1年を通して外での栽培が試みられています。しかし、これは本格的な管理の元で育てられていますので、「ニセコより南の函館なら1年中外でいいだろう」などと安易に考えないようにしてください。
選ぶべきチャの木の種類(品種)
チャの木には大きく2種類存在します。
1つは中国種です。これは古来から中国で育てられてきた品種で日本で栽培されているチャの木もこの中国種に当たります。(細かく言えば品種改良されています。)緑茶は基本的にこの品種から取られた葉っぱが使われます。
そしてもう一つが、アッサム種というものです。こちらは紅茶などに使用されており、日本ではほとんど栽培されていません。
もちろんおすすめなのは中国種です。お店で苗木を買うときに中国種と書かれていなくても、「おくのみどり」や「ヤブキタ」のように日本語っぽい品種であればそれは中国種や中国種ベースですので問題ありません。
チャの木の成長の期間
チャの苗木を育て始めると、最初の成長はスムーズです。チャの木は植物全体の中でも比較的強いほうですので、それほど神経質にならなくてもある程度育つことが出来ます。そして育て始めると、葉っぱを取って飲んでみたくなります。
しかし、育て始めて2〜3年は収穫してはいけません。
他の植物の木と同じように、ある程度大きくなるまでが重要です。この「子供の木」のころに必要な栄養素が内部に蓄えられていくため、そのころに収穫してしまうと、その後がとても貧相な木になり、場合によっては枯れてしまうのです。「大人の木」になるまでじっくり待つことで、安定的に美味しいお茶の葉っぱが収穫されるようになります。推奨の期間は3年間です。
家庭菜園で育てた大人のチャの木であれば1年で2回、美味しい葉っぱが取れる時期が来ます。最初はGWのあたり、次に7月上旬あたりです。
ちなみにチャの木はしっかり地面に植えると高さが10m以上の木に成長します。そこまで大きくなったチャの木から取れるお茶は実はあまり美味しくありません。植木鉢程度なら問題ないでしょうが、畑や庭に植える場合は高さがせいぜい2m以下になる程度に剪定を行っていく必要があります。
大きめの植木鉢に植えている場合も高く成長していく場合があります。品質の良い茶葉を収穫したかったら必要に応じてこれも剪定シていきましょう。
収穫の基本
家庭菜園で育てたチャの木は3年ほど成長すると、収穫ができるようになります。先程述べた2回の葉っぱの収穫時期の他に、花の収穫も出来ます。花については後で詳しく説明します。
チャの木は冬の間ほとんど成長せずに休みます。春になると、成長が始まり木は自然に香りが付き始め、繊細な風味や、栄養分が含まれていきます。そのため葉っぱの2回の収穫のうち、しっかり栄養分などを蓄えた最初の収穫のほうが最も風味豊かで栄養が豊富な葉っぱになります。1回目の収穫のあともチャの木は成長を続け葉っぱが出来ますが、2回目(やそれ以降)の収穫は風味や品質が少し落ちて少し苦味が強いお茶になってしまいます。
収穫ごとに、チャの花が咲く部分から各茎の上の2つの葉と1つのつぼみを残しておく必要があります。これにより、チャの木はより健康状態の良い丈夫になります。下の葉をそのままにしておくと、木の根元に余分な力が加わり、収穫する植物の最高の状態が得られます。
秋にできるチャの木の小さく白い花も飲める?
秋には、茶の木に美しい白い花が咲きます。茶のメインの収穫シーズンは春と夏ですが、秋に葉っぱを収穫して、その時期に干した花を一緒に煎じて飲む飲み方があります。島根県では昔からよく飲まれているもので「花番茶」と呼ばれています。また、中国では同じようにチャの花を使って飲む中国茶があるうようです。毒ではありませんので、興味がある方は試してみてください。
まとめ
自宅でお茶を育てることは、問題なく行うことが出来ます。しかし、収穫までに数年の時間がかかったり、剪定が必要になったり、さらにここでは触れませんでしたが、収穫後のお茶挽きなどの工程もあります。
ハーブやネギのように手軽に行うことは出来ませんが、一度出来てしまえば毎年安定して楽しめるという長所もあります。
もし挑戦してみたい方が入れば、少なくとも4つまたは5つのチャの木をまとめて育てることをおすすめします。剪定状況などによって品質は大きく変わり、同じ品種でも味が異なってくるため、いろんな味が楽しめるかもしれませんよ。
Source:CAN I GROW TEA PLANT IN MY YARD?Source(https://www.japanesegreenteain.com/)