中国の緑茶と日本の緑茶は、同じ「チャの木」から取れた葉っぱを使って作られます。しかし、この2つには様々な違いが存在します。
今回は、中国と日本の緑茶を7つの視点から比較していきます。
日本の緑茶と中国の緑茶の違い
歴史
○世界で最初に飲まれた緑茶は中国
日本のお茶は中国から伝わっていますので、その歴史は大きな違いがあります。緑茶は約五千年前に中国で発見されたとされ、当時は薬として重宝されていました。中国では8世紀頃、唐の時代に陸羽によって「茶経」というお茶の百科事典が作られています。
お茶が発見されて約4000年後の西暦800年頃、緑茶は中国から世界に広まっていきます。最初は陸続きのアジア圏で、その後、日本にも伝わります。伝えたのは中国の僧侶だったとのことです。
2.文化
○日本では緑茶で一つの文化を形成
緑茶が日本に伝わったとき、日本人はすぐに自分たちの文化にお茶を取り入れました。(もちろん当時はそんな意識はなかったでしょうが)
日本では緑茶をひとつの儀式のように作り上げ、冠婚などで使われながら作法を整えていきました。それが後に茶道に発展していきます。
3.収穫後、加工された葉の違い
○中国の緑茶の形は様々で、見て楽しめる
収穫されたあと、中国の緑茶の葉は、丸く巻かれたり、らせん状にねじれたり、剣状になったりするなど、さまざまな形に「形づくられ」ています。お茶を飲む前に葉っぱの形状を見て楽しむこともできるのです。
対照的に、日本の緑茶は抹茶として粉末状に機械で加工され、粉砕されるか、煎茶などとして均一な針状に丸められます。「お茶として飲む前の葉っぱの見た目」という意味では日本の緑茶はそれほど美しいとは言えません。
4.健康上の利点
○日本茶には抗酸化作用の栄養素が多い
緑茶のメリットの一つは、その健康効果です。免疫力を高めるなど様々な健康効果が認められているカテキンを中心に、日本の緑茶は中国の緑茶よりも多くの抗酸化作用のある栄養素を含んでいます。
5.バラエティー
○中国には何千もの緑茶があります
日本の緑茶は、ヤブキタと呼ばれる品種を中心につくられており、それほど多くの種類の品種はありません。もちろんヤブキタ以外にも存在しますが、中国とはその品種の量は比べ物になりません。国土が広いこともありますが、中国には数千種という非常に多くの種類の品種から取れた緑茶があり、さまざまな生産方法に従って命名されています。また中国の緑茶は比較的色鮮やかな葉っぱが多いことも特徴です。
6.品質
○日本のお茶は世界的にも高品質
日本の緑茶は、その栽培や農薬の種類など徹底的な管理がされています。そのため品質のブレが少なく、また安心して飲むことが出来ます。中国では農業の管理がまだまだ行き届いていないところが多く、日本では禁止された農薬なども、昔からの慣習でそのまま使われていたりするのも事実です。もちろんしっかり管理された中国の緑茶もありますが、総合的に判断すると日本の緑茶のほうが品質が高いです。
7.味
○味は大きく異なる
味は、食べ物や飲み物を評価するための非常に重要な基準です。しかし、日本の緑茶と中国の緑茶は製法の違いから味が大きく異なります。
わかりやすく説明すると、中国の緑茶は一般的に葉を炒めて作っています。しかし日本では葉を蒸して作っているのです。
そのため、日本の緑茶のほうが緑が濃く、明るい色をしており、甘く風味が非常に強いです。中国の緑茶は反対に、少しくすんだ黄色がかった色をしており、酸味や渋味が強くなっています。
中国人に日本の緑茶を飲んでもらうと「緑の風味」が強すぎると感じる人が多いらしいです。
8.価格
○中国の緑茶は非常に安い
中国は世界最大の緑茶の輸出国であり、世界の供給の80%を占めています。
これは中国の緑茶が非常に安価に大量に手に入れることができることが大きな要因です。中国の緑茶は広大な面積で、大規模な生産をしています。茶メーカーも非常に多く、製造業者は激しい市場競争に対処するために可能な限りコストを削減しています。その分品質は落ちているとするも方もありますが、結果的に中国の緑茶の価格は日本の緑茶よりもはるかに低いことが多いのです。
まとめ
結局どちらがいいのでしょうか。
味の面は比較できませんが、それ以外の私達が購入するときの基準として、価格で選ぶか健康効果(栄養素)で選ぶかだと思います。
できるだけ安いものをたくさん飲みたいという方は中国茶、健康効果を期待して品質の良いものを飲みたいときには日本の緑茶がいいでしょう。
Source:日本绿茶VS中国绿茶