朝食に、おやつの時間に、ホッと一息つきたい時になど、1日のうちに何回も紅茶を飲んでいる人もいると思います。
カフェインを含む飲み物といえばコーヒーが有名ですが、紅茶もカフェインが含まれる飲み物です。
カフェインは適切な量なら覚醒作用によってリフレッシュすることができますが、摂りすぎると体に悪い影響を及ぼすとされています。
でも紅茶を飲むたびにカフェインを気にしていては、せっかくの紅茶をおいしく飲むことができなくなってしまいます。
ここでは安心して飲んでいただけるように、紅茶に含まれるカフェインの効能や量、妊婦さんや赤ちゃんへの影響についてまとめました。
カフェインの効能
そもそもカフェインについてどのくらいご存知ですか?
カフェインには覚醒作用があります。これは紅茶に含まれるカフェインだけでなく、コーヒーやそのほかに含まれるカフェインも同じです。
寝起きに紅茶を飲むと頭がスッキリしたり、仕事の合間に飲むとリフレッシュできるのはこのためです。
他にも集中力アップ、疲労感の軽減、血行促進、利尿作用などの効果が期待できます。
しかし、これらの良い作用は適切な摂取量を守ってこそ得られるものです。
カフェインは摂りすぎると体に悪い影響を及ぼすことも知られています。
カフェインの過剰摂取はめまい、心拍数の増加、不安、震え、不眠、下痢、吐き気などが起こることがあります。
そして、長期的に過剰摂取が続くと高血圧や骨粗しょう症のリスクが高まる可能性があるともされています。
カフェインの最大摂取量は?
カフェインの耐性には個人差があるため、たくさん飲んでも影響がない人と、少量でも影響が出でしまう人がいます。そのためこの量なら絶対に大丈夫という量はありません。
体格が小さい人や子供は少量でも許容量を超えてしまう恐れがあるため、国によっては最大摂取量を定めているところもありますが、現在日本ではそのような指標は定められていません。
では世界ではどのような指標が定められているのでしょうか。
WHO(世界保健機関)では、妊婦の1日の摂取量はコーヒー3〜4杯程度としています。コーヒー100ml当たりのカフェイン量は約60mgなので、カフェイン量で換算すると約300〜400mgとなります。
カナダ保健省(HC)では、年齢や妊婦など細かく分けて最大摂取量が示されています。
・4~6歳の子供では、1日当たり45 mg
・7~9歳の子供では、1日当たり62.5 mg
・10~12歳の子供では、1日当たり85 mg
・妊婦や母乳で保育している母親は、1日当たり300 mg
・健康な大人は、1日当たり400 mg
これが目安となりますが、最初にもお話しした通り、カフェインの許容量は個人差が大きいので影響を受けやすい人は、目安量よりも控える必要があります。
参考サイト農林水産省
紅茶に含まれるカフェインの量
紅茶にはダージリンやウバ、キーマンなど多くの種類があります。
「紅茶の種類によってカフェインの量に差があるのかな」と思う人もいるでしょう。
茶葉に含まれるカフェインの含有量は紅茶によって異なる場合もありますが、紅茶の名前は茶葉が取れた産地の名称が付いているため、一概にそうとは言えません。
紅茶の場合には茶葉の種類よりも抽出方法によって差が出るようです。
紅茶に含まれるカフェインの量は、食品安全委員会によると紅茶100ml当たり30mg(浸出方法:茶5 g/熱湯360 ml、1.5~4分)とあります。
健康な大人の場合1日のカフェイン摂取量目安量は最大で400mgなので、マグカップ(200ml)に同様の方法で茶葉から淹れた場合、6杯程度です。
しかしこれは一般的に飲みやすいとされる濃さの紅茶を作った場合です。
茶葉の量を多くしたり抽出時間を長くしたりして、濃い紅茶を作るとカフェインの量も多くなります。
また、カフェインは熱湯で抽出されやすいという性質があるため、同じ茶葉を使った場合でも熱湯でいれた紅茶の方が水出しした紅茶よりもカフェインの量が多くなります。
コンビニやスーパーで購入できる紅茶飲料のカフェイン量はどのようになるのでしょうか。以下にまとめました。
・午後の紅茶ストレートティー:100ml当たり10mg
・午後の紅茶ミルクティー:100ml当たり20mg
・午後の紅茶レモンティー:100ml当たり10mg
・リプトンレモンティー:200ml当たり 16mg
・リプトンミルクティー:200ml当たり31mg
ミルクティーは少ない量で紅茶の味を出すために濃くして作るため、ストレートやレモンティーと比べるとカフェインが多くなる傾向があるようです。
参考サイト食品安全委員会
妊婦さんや授乳中の女性へ影響はあるの?
実は赤ちゃんに与える影響について確定的な研究結果はまだ出されていません。
しかし、理論上以下のような影響を指摘されています。
妊婦さんの場合には、妊婦さんが口にしたものが胎盤を通して栄養として赤ちゃんに届きます。
カフェインを摂取すれば赤ちゃんに届いてしまうのですが、まだ体が小さく消化器官の未熟な赤ちゃんはカフェインをうまく排出することができません。
そしてカフェインはカルシムの排出を促してしまうため、成長に必要なカルシウムまでおしっこで排出させてしまいます。
また、カフェインの覚醒作用で母体のアドレナリンが増えてしまうと、赤ちゃんへの血流が減り低酸素の状態になるとも言われています。
そのため妊婦さんが過剰にカフェインを摂取し続けると流産や早産、低体重、発育障害になる危険が高まるとされています。
産後授乳中のお母さんも注意が必要です。お母さんがカフェインを摂取すると母乳にもカフェインが含まれてしまいます。
大人でもカフェインが排出されるまで5〜6時間かかります。それが赤ちゃんの場合には3〜4日もかかってしまうそうです。
カフェインは赤ちゃんの乳幼児突然死症候群のリスクを上げてしまうと言われています。
そのため妊婦さんや授乳中のお母さんは基本的にはカフェインの摂取は控えるようにと言われています。
とはいえ、最初に記載した通り確定的なことはまだわかっていません。
「少量であれば問題ない」というお医者さんもいれば、「絶対ダメ」というお医者さんもいます。
もちろん個人差やお母さんの健康状態にもよりますので、かかりつけのお医者さんに一度聞いてみるのがベストでしょう。
子供は何歳から紅茶が飲める?
では母乳を卒業した子供は何歳から飲んでいいのでしょうか。
これも何歳から紅茶を飲んでもいいという決まりはありません。
しかしカナダ保健省(HC)では、4~6歳の子供のカフェインの摂取量は1日当たり最大で45 mgとされていますが、それ以下の年齢は書かれていないため、3才まではできるだけ摂取を控えた方が良いということでしょう。
ただ、カフェインは紅茶やコーヒーだけに含まれるものではありません。緑茶や烏龍茶、ココアなどにも含まれます。
そのためどうしてもカフェインを摂取してしまうことはあります。それにお母さんが紅茶を飲んでいたら興味を持って飲みたくなることもあるでしょう。
そのような時にはお湯を足すなどして薄めたものを飲ませてあげるとカフェインの量を減らすことができます。
カフェインが心配な方はカフェイン抜きの紅茶がおすすめ
カフェインには覚醒作用があるため、寝る前に飲むと寝つきが悪くなってしまう人もいます。
また、妊娠中、授乳中、子供の場合には健康への影響が気になることからカフェインの摂取を控えた方が良いとされています。
でも紅茶はおいしいですし、我慢するのもストレスになってしまうでしょう。
そのような時にはカフェインの入っていない紅茶がおすすめです。
カフェイン抜きの紅茶には3種類あります。
ノンカフェイン
ハーブティーなどカフェインが含まれない茶葉を使っているため、カフェインはゼロです。
カフェインレス
カフェインの量が0.1%未満。
デカフェ
カフェインを含む茶葉を特殊な抽出法によってカフェインを抜き取ったものです。カフェインが微量に含まれていることがあります。
最後に
紅茶を飲むとスッキリしたりリフレッシュしたりと良い効果がありますが、カフェインを含むので飲み過ぎには注意が必要です。1日の摂取量が多い人はカフェイン抜きの紅茶も取り入れてみるなど工夫をしてみてくださいね。